バラは、村々の医者や修道院などの治療に用いられるなど、伝統的な自然薬として人々の暮らしにも息づいて行きました。19世紀初めに「リラの僧院」が発刊した治療ガイドの中に、薬剤としてのバラに関する文献が残っています。各種炎症、眼病、皮膚病、呼吸器系アレルギー、消化器系疾患、経および心臓の治療薬として紹介され使われていたようです。
ブルガリアで香料としてのバラが注目されたのは、第二次世界大戦後の社会主義の時代です。戦後の化粧品産業の成長とともにローズオイルの需要は増大し、それは「ブルガリアの金」と呼ばれるほどの一大輸出品目となり、国家の重要産業に指定され保護されてきました。
以来、厳しい管理体制の下で世界一の品質を守り続け、ブルガリアのローズオイルは、世界の香料用バラ生産の7割を占めています。
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